異次元からの手紙

ある時、駅ビルの文具店を通りかかった。
レター用品のコーナーに見本で手紙が貼ってあった。
何の気なしに読んでみたらその便箋には”〇〇さんへ(わたしの苗字)”とあった。
(ちなみにわたしの苗字はとてもめずらしい)

!?と思って、読み進めていくと内容が妙にリアルで、完全にこれは自分宛のものだということを確信した。
しかもこの字には見覚えがあるぞ・・。
しかし手紙の最後に記してある差し出し人の名前は、予測している人物の名前ではなかった。

なぜわたしは自分への手紙を、貼り出された状態で店の中で読んでいるのか・・。
手紙ってこういうものだっけ?もしかして不思議な世界に迷い込んでしまい、この世界ではこれが常識なのかもしれない。

狐につままれたままとりあえず家に帰り、一応手紙をもらったので返事を書いてみた。
その後、差出人と思しき人物と会う予定があったので、返事の手紙を渡した。
「これ、手紙の返事」
「あぁ〜。ありがとうございます」
答えはあっさりしたもんだった。

その子は、レター用品のメーカーで営業の仕事をしており、お店を回っている。お店のレター用品の棚に飾る見本なども自分で作るのだ。
「見本に使わせてもらっちゃいました〜」とのこと。
いやいやいや変だよ。
(ちなみにその子は結構しっかりしていて常識のあるタイプ・・だと認識していた)


蒸し返すのもなんだし、追求することもなく、だけどずっと謎に思っていた。
もしかしたら読んで欲しいような読んで欲しくないような、そんな気持ちだったのかもしれない・・・と最近になって思った。

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